VRコンサートを運営するAmazeVRが、およそ1700万ドルの資金調達を実施したことがわかりました。調達した資金は、どのように活用されるのでしょうか。
AmazeVRの概要とともに、ご紹介します。
AmazeVRとは
AmazeVRは、ロサンゼルスにあるスタートアップです。バーチャルコンサートプラットフォームを運営しており、アーティストの映像を間近で見ることができる、没入型音楽体験の実現に注力しています。
2022年7月には、SMエンターテインメントという、韓国最大規模の総合エンターテインメント企業とジョイントベンチャー契約を行ったことでも話題になりました。韓国・ソウルを拠点とする合弁会社「Studio A」を設立。没入型VRコンサート制作に関する事業計画を発表しています。
およそ25億円の資金調達へ
そんなAmazeVRが、約1700万ドル、日本円でおよそ25億円の資金調達を行いました。調達が実施されたのは、シリーズBラウンド。Mirae Asset Capitalが主導し、Mirae Asset Financial Groupの子会社であるMirae Asset Venture Investment、CJ Investment、Smilegate Investment、GS Futures、LG Technology Venturesなどの既存投資家が参加しました。
また、韓国のエンターテインメント大手CJ ENMとモバイルゲームメーカーKraftonも、新たな戦略的投資家として参加しています。今回の調達で、AmazeVRの累計調達額は、約4780万ドルに達したこともわかっています。
今回得られた資金は、アーティスト契約の強化、マネージメント企業やレーベル、出版社とのパートナーシップ拡大に活用される予定です。
稼働率の高いVRコンサートツアーに注力
資金調達に際し、AmazeVRのCEOが「技術の向上と、最高級のバーチャルコンサートの開発継続のために、人工知能エンジニア、Epic GamesのUnreal Engineエンジニア、視覚効果のVFXアーティストなどを増員する予定だ」とコメント。
同時に、2022年夏に開催されたミーガン・ジースタリオンとのVRコンサートツアーの稼働率について、「観客動員率は約75%、15%~20%とされる劇場の平均稼働率の約4.3倍だった」と語っています。映画館で上映された同コンサートは、チケット価格が映画館平均のおよそ2.5倍。稼働率の高さとともに、同社のVRコンサートが成功したことをアピールしています。
VRの音楽シーンにも注目しよう
ライブの映像は、生放送やDVDなどでも楽しめますが、リアリティには欠けます。VRなら、会場にいるような臨場感が全身に伝わるような体験が可能です。
今回の資金調達はVRライブ、そして音楽関連のコンテンツの盛り上がりに貢献するだけでなく、日本国内の音楽シーンにも大きな影響をもたらすかも知れません。