アメリカのHaptXは9月15日、2,300万ドルの資金調達を実施したことを発表しました。これにより、同社の累計調達額は約5,800万ドルに到達。日本円で約33億円にもなる資金は、いったいどのように使われるのでしょうか。
今回は、HaptXに関する情報や、資金の使い道について解説します。
HaptXとは
HaptXは、2012年に設立された企業です。拠点をアメリカに置いており、旧社名はAxonVRといいます。創業以来、VR向けのリアルな触覚再現に取り組んでいる同社は、グローブ型デバイス「HaptX Gloves DK2」を開発したことでも有名です。
「HaptX Gloves DK2」は18キログラム相当の反動まで再現してくれる高性能な触覚グローブとして、日本でも注目を浴びました。
「HaptX Gloves DK2」の魅力
「HaptX Gloves DK2」について、より詳しくみていきましょう。こちらは130以上の触覚フィードバックによって、VR空間のオブジェクトに本当に触れているような感覚を味わえるデバイスです。HaptXによると、「振動や力のフィードバックに限定された既存デバイスとは一線を画す」とのことで、より高い没入感や、臨場感を実現してくれます。
「HaptX Gloves DK2」は、「Fortune Global 500」にランキング入りする企業や、世界のさまざまな政府機関で採用。トレーニングやシミュレーション、自動車の設計などの工業デザイン、ロボット工学など、高い精度が求められる幅広いシチュエーションで活用されているそうです。
調達した資金はどう活用される?
素晴らしい触覚グローブを開発したHaptXの今回の調達は、AIS GlobalとCrescent Cove Advisorsが主導しており、Verizon Ventures、Mason Avenue Investments、Taylor Frigon Capital Partnersなどが参加。ちなみに、Crescent Cove Advisorsは、2021年に400万ドルの信用枠をHaptXに提供したうえで、投資に参加しています。
本調達で得られた資金は、HaptXの次世代製品開発や、商業化のために活用される予定です。
また、HaptXはAIS Globalとの提携拡大も発表。ニューヨークを拠点とするKPS Capital Partnersのポートフォリオ企業であるAIS Globalは、リソースや専門知識を提供し、HaptX製品の商業化に積極的な支援を行っていくようです。
さらなる素晴らしい商品の開発に期待!
今回の資金調達について、HaptXの創業者兼最高経営責任者のJake Rubin氏は、「HaptXは『HaptX Gloves DK2』の成功に加え、バーチャル空間とロボットの相互作用を再定義する、エキサイティングな新製品を開発することができる」とコメントしています。
今後も既存製品を超える素晴らしい性能を持った製品が生まれることが、期待できそうですね。
新たなデバイスの1日も早い登場を、期待しましょう。