さまざまな活用方法が注目されているVR。今回ご紹介するのは、リハビリにVRコンテンツを使用したプロスポーツ選手の話です。
早速、Sense Arenaに関する情報を見ていきましょう。
VRトレーニングを提供するSense Arena
Sense Arenaは、チェコに拠点を置くスタートアップ企業です。2017年の創業以来、VRトレーニングのプラットフォームとして知られる「Sense Arena」の開発や運営を行っています。
2018年にはアイスホッケー向けのVRトレーニングを発表し、2022年8月には、テニス向けVRトレーニングを開発しました。
プロスポーツ選手のトレーニングにVRを導入
Sense ArenaのVRトレーニングは、アイスホッケーのプロチームや複数のチームで採用された実績を持っています。また、最近開発されたテニス向けVRトレーニングに関しても、世界で活躍するプロテニスプレイヤー数名とアンバサダー契約を結んでおり、さらに普及を進めている状況です。
テニス向けVRトレーニングには、独自開発されたVR用のテニスラケットと、「Meta Quest 2」を使用します。ラケットは、グリップの感覚やスイングした際の抵抗感などを再現することが可能で、まるで本物のラケットを持っているような練習を実現してくれます。
観客席が騒がしい、コートの片側が日陰になっているなど、トレーニング状況のアレンジも可能です。実際の試合に似た条件を設定することで、より現実に生かせるトレーニングを提供してくれるのも、魅力だといえるでしょう。
VRトレーニングをリハビリに使用した選手の感想は
Sense Arenaでは、テニスをしているような感覚はもちろん、試合中の判断力、平常心のトレーニングにも役立ちます。アンバサダーの1人で、2021年全豪オープンのファイナリストのJennifer Brady氏は、このVRトレーニングを復帰までのリハビリに使用しました。
Jennifer Brady氏は足のけがを理由に、14カ月以上欠場。そのなかで、VRトレーニングをリハビリに活用したといいます。見事コートに復帰した同氏は、「私が望むよりも早くプレーに戻るという点で、VRトレーニングは非常に有益。他のリハビリの妨げにもならなかった」とコメントしており、VRが早期復帰に貢献したことを証明しています。
VRは現実世界に生きる!幅広いシーンで活用しよう
今回ご紹介したVRトレーニングを、実際にリハビリに活用したJennifer Brady氏。VRと現実世界のリハビリが相乗効果を発揮し、けがからの早い復帰がかなったのではないでしょうか。
仮想空間は、ただ非現実的な世界を楽しむだけのものではなく、さまざまな教育やトレーニングにも活用されています。企業や教育現場はもちろん、スポーツのシーンでも、多く活用がされていくことを、期待したいですね。