昨今注目を浴びるメタバース分野ですが、実は資金調達は急減していることがわかっています。その原因は、一体何なのでしょうか。
今回は、過去のメタバース資金調達額なども参考にしながら、2022年の資金調達について分析していきます。
過去のメタバースの資金調達額は
ベンチャー企業データベース、Crunchbaseの調査によると、ARやVRなどメタバース分野における投資額は減少の一途をたどっています。過去5四半期について見てみると、2021年第4四半期に21億ドル超(約3,050億円)。
その後、2022年の第1~3四半期と投資額はどんどん減少しています。
2022年の資金調達額は急減
直近の2022年第4四半期を見てみると、資金調達額は約7億6,000万ドル(約1,100億円)まで減少しており、1年前の2021年第4四半期の3分の1近くになっていることがわかります。2022年全体を通して見ても、2021年よりも大きく下回る資金調達額となっており、メタバース分野は「投資家が注目する分野のトレンドではなくなっている」とも思われます。
しかし、一方で大規模投資が実施されていることもあり、1億ドル以上の投資の事例は2022年に7件はあります。1億ドル未満でも、高額な投資が実施された企業は複数あり、「メタバースは落ち目」だと思われているわけではないと、いえるのではないでしょうか。
原因は景気後退か
Crunchbaseの調査によると、メタバース分野の資金調達が最も多かった年は2018年です。「VR元年」とされている2016年から2年経ち、メタバースに多くの投資家が注目を始めたポイントだといえます。
その後、資金調達額は徐々に減少していますが、これは投資家たちのメタバースへの熱がピークよりも下がっているだけでなく、世界的な景気後退も原因だと考えられます。株価の下落は幅広い分野の企業で深刻化しされており、こうした世界の情勢が、メタバースという期待と注目の集まる新分野にも、影響したのではないでしょうか。
まだまだ注目のメタバース!動向を見守ろう
メタバースへの投資額は大幅に減少していますが、そのなかでも高額投資の事例はまだまだあります。また、メタバースに進出する企業も国内・海外で多く見られ、今後もメタバースは進化をし続けると同時に、幅広く活用されていくものとして目が離せないといえるでしょう。
おすすめのVR動画やメタバースなどに加え、メタバース市場の抱える深刻な問題がどうなっていくのかも、気になるところです。今後の市場動向も、見守っていきましょう。