2022年12月31日(土)、国民的音楽番組「NHK紅白歌合戦」に、史上初めて3Dキャラ「ウタ」が出演し大きな話題となりました。生放送番組でウタは、どんなパフォーマンスを見せてくれたのでしょうか。
今回は「紅白歌合戦に出場した史上初の3Dアバター」について、解説していきます。
2021年から視聴率やや回復の紅白歌合戦
毎年大晦日の夜に放送される、NHKの紅白歌合戦は、男女で紅組と白組に分かれて競う音楽番組です。1951年から始まり、2022年12月31日で第73回を迎えました。
出場できるアーティストは、1年間でどれだけ活躍したかに加え、活動内容や番組にふさわしいかなどをもとに選出されます。そのため、紅白歌合戦はその年に世間を沸かせたアーティストや多くの楽曲をまとめて視聴できるだけでなく、壮大な演出を生放送で見ることができる番組として、ここまでの長寿番組となったのでしょう。
年末に放送される番組で、毎年話題になるのが視聴率です。1989年に導入した2部制以降、最低視聴率となった2021年の紅白歌合戦でしたが、2022年は1.0ポイント上回る数字となりました。「Aimer」や「緑黄色社会」、「Vaundy」など若年層が注目するアーティストが多かったことが、視聴率回復に貢献したと考えられます。
ONE PIECEのキャラクター「ウタ」が紅組として登場
そんな2022年の紅白歌合戦には、今年アニメ映画で人気を博した「ウタ」が、3Dモデルで出場しました。ウタは興行収入190億円突破したアニメ映画『ONE PIECE FILM RED』に出てくるメインキャラクターで、映画のなかでも「世界の歌姫」と称されている人気キャラクターです。
ウタの歌声は、迫力ある歌声の持ち主「Ado」さんが担当しています。ウタは3Dモデルで第2部のトップバッターとして出場。代表曲の「新時代」を披露してくれました。3Dモデルがリアルタイムで、生身のアーティストのように歌ったり踊ったりし、クライマックスでは多くの出場者がステージに上がり、ウタと一緒に歌っているかのような演出も。
大きな話題となったパフォーマンスは、アーティスト別の視聴率でも1番高く、最も注目度が高いアーティストだったことが伺えます。
また、歌い終わると中央の巨大スクリーンに、「ONE PIECE」原作者「尾田栄一郎」が紅白歌合戦のために書き下ろしたイラストも。終始粋な演出に、出演者や会場にいた観客、視聴者も感動を覚えたことでしょう。
さまざまな音楽特番にも出演
ウタはこれまで、紅白歌合戦以外の音楽特番にも出演してきました。「FNS歌謡祭」や「年間ミュージックアワード2022」などに出演し、「ONE PIECE」の世界から飛び出してきたウタ。そんな特別出演は「UTA TV LIVE TOUR」とも呼ばれています。
このほかにも、「ONE PIECE FILM RED」映画上映に先駆け、動画配信サイトにショート動画を公開したり、上映終盤に差し掛かった頃には「ONE PIECE」本編のプロモーションとして、動画も公開されました。
また、音楽出演だけでなく、動画配信サイトでVtuberのようにコメントを発表している動画もあります。
ちなみに、ウタの3DCGモデル制作は、Vtuber「キズナアイ」さんを作り出したActiv8株式会社です。紅白歌合戦が終わった直後には、YouTubeでウタのアフタートーク動画もアップされ、出演の感想と、今後の活動についてコメントしています。
バーチャルアーティストの活躍に期待!
2022年NHK紅白歌合戦に、3Dキャラとして出演したウタ。初めての試みながら、見事に後半戦のトップバッターを努めてくれました。歌唱力だけでなく、パフォーマンスの完成度も高く、まさに新時代の幕開けのような演出でしたね。
今回の紅白歌合戦出演の様子は、YouTubeの「NHK MUSIC」でダイジェスト動画も公開されているので、ぜひ見てみてください。今後もウタのようなバーチャルアーティストの活躍に期待しましょう。