コロナ禍で旅行や外出が思うようにできなくなってから、3年が経過しました。徐々にコロナ禍以前の生活が戻りつつある昨今ですが、こうした状況において、外出気分を味わうことができると注目を集めているのが、「VR旅行」です。
このVR旅行の体験会を、2市の福祉施設で行うことが発表されました。今回は、VR旅行体験会実施に至る経緯などをご紹介します。
Meta日本法人が「福祉領域における新プロジェクト」を実施
VR旅行の体験会を行うのは、Meta日本法人のFacebook Japan株式会社です。Facebook Japanは、2022年12月15日に「福祉領域におけるVRの可能性を発信するプロジェクト」を開催し、VR旅行の提唱と合わせ、自治体と連携した取り組みの内容を発表しました。
この発表会では、新たなプロジェクトで活用する予定の「VR旅行」を、実際に体験できる時間も設けられたといいます。
福祉施設での「VR旅行」実証実験
2018年より、自治体と連携協定を結び、地域活性化に取り組んできたFacebook Japan。用意されたVR旅行コンテンツを生かし、2023年1月から岩手県盛岡市、兵庫県神戸市との共同で「VR旅行」のワークショップを開催しています。
ワークショップでは、福祉施設の利用者自身がVR旅行を撮影・編集・体験し、完成した映像をもとに、Facebookなどで交流するとのこと。地域や世代を超えた「身近な話題」で地域を地域を活性化させることが、このワークショップやプロジェクトの狙いです。
Facebook Japanが2017年から手がけている高齢者向けSNS活用セミナーの支援経験も、今回のプロジェクトに役立つでしょう。
外出できなくても「旅行気分」が楽しめる
プロジェクトには、「VR旅行」の考案・実践者であり、一般社団法人デジタルステッキの代表理事も務める登嶋健太氏も、全面協力します。
「VR旅行」は自力で外出できない要介護者にも、旅先の360度映像を、簡単に届けることが可能です。ある程度健康な高齢者の方も、現地旅行となると移動や付き添いなどの面で不安を覚えることがあります。VR旅行は、こうした問題をクリアしながら、旅行に行った気分になり、現在の風景と昔を比べ、当時を思い出す機会を提供してくれたりします。
また、出かけられない方が手軽に「旅行気分」を味わえることはもちろん、健康で勉強熱心な「アクティブシニア」に、ノウハウを伝え、働く機会を提供することにも貢献するでしょう。
高齢者もVRで幸せな時間を
VRというと、20代、30代を中心に活用されているイメージが強い印象ですが、高齢者の方もヘッドセット1つで知らない世界、懐かしい風景を味わうことができます。新たな技術の活用で、幅広い世代が楽しく、幸せな時間を過ごせる未来は遠くないでしょうか。
Facebook Japanのプロジェクトの今後の動向にも、注目していきましょう。