さまざまな街をバーチャル空間に再現するプロジェクトは増加傾向です。今回ご紹介するワールドでは、中国地方の広島県廿日市市をメタバース上に再現しました。
廿日市市がどういった街なのかも含め、開催されたバーチャルツアーの内容について見ていきましょう。
「宮島」が有名な広島県廿日市市
広島県の南西部に位置する廿日市市は、瀬戸内海や中国山地まで、さまざまな地形に取り囲まれた街です。世界遺産「宮島」のある街として、多くの方に知られていますが、「ほかに廿日市市には何があるの?」と聞かれても、あまりピンと来ないという方もいるかもしれません。
廿日市には大型ショッピングセンターや医療機関、教育機関などが充実しており、地域の方には非常に暮らしやすい場所としても知られています。また、自然も豊かで四季折々の美しい景色が楽しめるのも魅力です。
規模は大きくないものの、希少な生物を展示している水族館「みやじマリン」、化粧箱入りのもみじ饅頭が人気の「やまだ屋」、弘法大師空海が1200年前に開基したといわれている由緒ある「大聖院」など、見どころ豊富な名所や老舗の菓子屋なども多く、中国地方の方を中心に、隠れた観光スポットとして知られています。
より多くの魅力を伝えるバーチャルツアーを開催
そんな廿日市市ですが、宮島以外の市内の各地域については、あまり知られていないという現状もあります。そこで、魅力的な地域資源の多い廿日市について、より多くの方に興味を持ってもらうために開催されたのが、今回のバーチャルツアーです。
このバーチャルツアーは、VRChat内に開設されたワールドで開催。特に、人口減少や空き家問題が深刻視されている山間地域の指定重要文化財を再現しています。このワールドを通し、廿日市に興味を持つ方が増えるかどうかの実証実験が、主たる目的でした。
ワールド内には、廿日市市浅原の「安井家母屋」を再現。フォトグラメトリ技術を駆使して3Dモデル化した建物は非常にリアルで、訪れたユーザーを魅了しました。また、宮島歴史民俗資料館、宮島伝統産業会館も協力し、歴史的な史料・伝統工芸品の3Dモデル化も実現。
なかなか近くで見ることのできないアイテムも細部までじっくりと堪能でき、来場者たちは感動したようです。
「ゆめタウン廿日市」でリアルイベントも!
今回のバーチャルツアー開催と連動し、廿日市市ではリアルイベントも実施。「ゆめタウン廿日市」3階にある紀伊国屋書店前広場では、これまでVRを体験したことのない方に向けて、VRヘッドセットを使った体験会を実施しました。
リアルイベント、バーチャルツアーともに、イベントは2月に終了しています。当日は多くの体験者、来場者が訪れ、美しく再現された廿日市市の建物や自然豊かな風景を楽しみました。
街の魅力を伝えるバーチャルツアーへ遊びに行こう
大阪や渋谷など、人々でにぎわうスポットをバーチャル空間に再現したメタバースもありますが、地域を盛り上げるためにバーチャル空間を活用する事例も増えています。今回の実証実験の結果によっては、廿日市市のバーチャルツアーが再度VRChatなどに登場する可能性も期待できます。
さまざまなバーチャルツアーに足を運び、「関係人口」増加に貢献しましょう。