さまざまな企業が、メタバースを活用した新たな営業やサービス提供の形を確立するなか、地方自治体のメタバース活用にも注目が集まっています。メタバースは自治体に、どういったメリットをもたらしてくれるのでしょうか。
今回は、メタバース活用により期待できる効果やメリット5点を、解説します。
メタバースのメリット①関係人口増加
国内の地方地域では、人口減少や過疎化、地方の衰退、文化財の老朽化といった問題が深刻視されています。そんな地方地域がメタバースを活用して得られる最も大きなメリットは、関係人口の増加でしょう。
関係人口とは地域と関わる人を指す言葉で、定住者、観光客などとは異なるものです。オンラインのメタバースによって関係人口が増加すると、地方地域への投資が増える、その地域に興味を持って観光に訪れようと考える人が現われるといった、現実世界へのよい影響をもたらしてくれます。
メタバースのメリット②新たな雇用の機会ができる
メタバース空間に地方地域のワールドを創るためには、さまざまな技術が必要です。新たな技術導入にあたり、メタバース関連企業を誘致する地方自治体も少なくありません。
同時に地域住民の人材育成にも注力したり、メタバース内でのガイドやセミナー講師を募集したりと、メタバースは幅広い雇用の機会を創出します。
メタバースのメリット③文化財の保存
老朽化や管理者・継承者不足により存続が危ぶまれる文化財が増えるなか、写真や2D映像、文章などの資料でその歴史を残すことは、これまでも行われてきました。文化財の保存をメタバース上で行うことは、当時の姿をよりリアルに後世に受け継ぐことにつながります。
建物や製品のデジタルデータは、朽ちることがありません。また、製造ノウハウをわかりやすく残すこともできるので、伝統の継承にも役立ちます。
メタバースのメリット④リアルなコミュニケーション
メタバース空間では、アバター同士でリアルにより近いコミュニケーションができます。オンラインショッピングにおいても、従来のECサイトは写真と文章のみで商品について判断しなければなりませんでしたが、メタバースなら3DCGで本物により近い見た目の確認が可能。サイズ感や使用感を確認したり、音声ガイドで製品情報を知ることもでき、便利です。
また、AIアバターなどのガイドがいれば、さまざまな質問に答えてくれるので、ショッピングや観光がより楽しくなるでしょう。
メタバースのメリット⑤世界に地域の魅力を発信
これまで地域の魅力をよりリアルに伝えるには、実際にその場所へ足を運んでもらうしかありませんでした。しかしメタバースは世界に向けて、地域の魅力を鮮明に伝えられます。
自宅など好きな場所から手軽にアクセスできるメタバースで地域のよさを知り、「名産品をお取り寄せしよう」「実際に行ってみよう」などと考える方もいるでしょう。地方地域の活性化に、メタバースは大いに貢献します。
地方自治体の活性化にメタバースを
メタバースは地方地域の関係人口増加やさまざまな活性化に役立つ新技術です。現在もさまざまな地方自治体がメタバースを活用していますが、今後もメタバースで魅力的な景観やサービスを提供してくれる地方自治体は増加していくでしょう。
どのような内容のワールドが創出されるのかも、注目していきたいですね。