自動車メーカーがメタバース上でリアルな自動車展示を実施する事例は過去にもありましたが、3月8日より日産が新たな実証実験を開始しました。6月いっぱいまで一般公開されているワールドでは、メタバースを車両販売に生かせるかどうかが試されます。
今回は「NISSAN HYPE LAB」に関する情報を見ていきましょう。
「NISSAN HYPE LAB」とは
「NISSAN HYPE LAB」は、日産自動車と日産東京販売が共同で実施する実証実験用のワールドです。これまでも日産は、車両開発段階でのVR活用や、生産現場におけるMR活動、ドライバーが見えないものを可視化する技術など、さまざまなメタバースへの取り組みを行ってきました。
そんな日産が、自動車販売会社である日産東京販売とともに、メタバースにおける車両販売に挑戦。「NISSAN HYPE LAB」は3月8日にオープンし、6月30日まで一般公開中です。
メタバース技術を活用した車両販売に挑戦
コロナ渦の影響は多方面に及び、実店舗で実物を見て試運転をし、商談を行うといった販売スタイルを長年保ってきた自動車販売業にも変化をもたらしています。平日は仕事、土日は家族サービスで時間に制約のある方のなかには、1~2回の商談で新車の購入を決断するケースも少なくないようです。
メタバースを活用した車両販売は、時間や場所、手段にとらわれない購入サポートが求められる昨今のスタイルに合っているといえるでしょう。日産は、メタバース技術を駆使し、車両販売を実施。その可能性を探るのが、今回の実証実験です。
車両の閲覧や商談も可能
メタバースなら何度も実店舗へ足を運び、購入希望車両を比較検討する、グレードやオプションなどの設定のためにスタッフと予定を合わせて商談をするという機会の大幅軽減が可能です。「NISSAN HYPE LAB」ではバーチャル上の高精細な車両でシミュレーションができることはもちろん、車両の走行イメージの視聴、スタッフへの相談も手軽に行えます。
また、該当地域の方はそのままメタバース上で契約までを完結。店舗に1度も行くことなく、気に入った車を手に入れられます。今回の実証実験は、新技術への興味や関心を高めることはもちろん、潜在ニーズの掘り起こしにも役立つのではないでしょうか。
実証実験の結果にも期待!
6月30日まで公開の「NISSAN HYPE LAB」では、新たな車両販売のスタイル確立が期待されます。離れ離れに暮らすご家族がメタバース上で待ち合わせ、一緒にバーチャルショールームを訪問、相談、契約することも、夢ではありません。
実証実験の結果次第で、今後バーチャルショールームのブラッシュアップや拡大も期待できます。今後も、日産のメタバース分野での活躍に注目しましょう。