前回は、関西・関東地域の地方自治体のメタバース活用事例をご紹介しました。今回も前回に引き続き、地方自治体が地方創生のために、どういったメタバースを活用をしているのかに注目していきましょう。
メタバース活用事例①長崎県佐世保市
佐世保市には、重要文化財「針尾送信所」があります。針尾送信所は旧日本海軍が建造した、日本で最も古い自立式電波塔です。巨大な3本の電波塔はコンクリート製で、現在も海上保安庁の無線送信所として利用されています。
そんな針尾送信所がVRで楽しめる映像を、YouTubeで公開。制作にはVR専門家も携わっています。また、VRではありませんが「針尾送信所オンラインツアー」や「現地見学会」など、針尾送信所について多くの方に知ってもらえるようなコンテンツ制作やイベントも、積極的に行っているようです。
メタバース活用事例②広島県三原市
広島県といえば、広島東洋カープ。三原市では広島テレビ放送と、広島東洋カープのファンクラブ向けサービス「メタカープ」を活用し、ふるさと納税などをはじめ、さまざまな市内情報を発信しています。
「メタカープ」はカープラン向けのメタバースで、ファンクラブ会員はチャットやモーション、スタンプなどを用いたコミュニケーションが可能です。三原市は、メタカープを訪れるカープファンの多くが「遠方のカープファン」だという点に着目。メタカープからふるさと納税サイトへの導線づくりを行っています。
メタバース活用事例③長崎県西海市
長崎県西海市は、株式会社西海クリエイティブカンパニーと連携し、「メタバースアカデミー」を開講しています。このアカデミーの目的は、同市内でのデジタル人材育成です。
開講された講義は、2022年9月からのおよそ2カ月で合計8回。10月以降もメタバース有識者による講義などが行われています。
メタバース活用事例④佐賀県嬉野市
佐賀県嬉野市は3つの企業と連携し、メタバース上に「デジタルモール嬉野」を開設。新幹線・嬉野温泉駅と嬉野観光交流センターなどを、建築データに基づき表現し、このメタバース内を、アバターで自由に散策できます
開設当初は、メタバース上でコインを集め、リアルな空間でガチャが引けるイベントも実施しました。獲得コイン数に応じて、地域のリアル店舗のクーポンがもらえるイベントも計画されるなど、メタバースとリアルな世界の連動により楽しめる魅力的な仕組みにも、注目が集まっています。
増える!地方自治体のメタバース
地方自治体のメタバース活用と一言でいっても、その方法はさまざまです。イベント出展や主催から実際にある空間の再現まで、魅力的なメタバースは多く存在します。徐々に増加している地方自治体のメタバースが、今後過疎化などの進む地域にどういったよい影響をもたらしていくのか、地方自治体の取り組みとともに、注目していきましょう。