地方でのVRやメタバース活用が進むなか、新潟県にある燕三条市がVR展示館を公開しました。地域で受け継がれている技術の魅力をオンラインでPRできる空間の創出は、今後どういった効果をもたらしてくれるのでしょうか。
今回は、「燕三条市ものづくりVR展示館」の情報をまとめました。
金属加工の地として知られる新潟県燕三条市
新潟県燕三条市は、国内はもちろん世界からも「金属加工の街」として知られています。江戸時代、水害が多発する燕三条市のある地域では新田開発が困難だったため、代わりに釘づくりがはじまりました。
農家が副業として始めた和釘作りは時代と共に形を変え、金属加工に発展したようです。現在、燕三条市の金属加工によって作られたさまざまな製品のなかには、ノーベル平和賞晩餐会のカトラリーやApple社製品部品の金型、スノーピークの携帯用箸(はし)など、有名なものがたくさんあります。
「燕三条ものづくりVR展示館」を公開
そんな燕三条市や周辺地域のさまざまな金属加工製品を、多くの地域に知ってもらえるよう、燕三条地場産業振興センターは「燕三条ものづくりVR展示館」を公開。22の企業が、製品を展示しています。
VR展示館を訪れたユーザーは、展示品を360度のVR映像で自由に見られることはもちろん、展示品の説明や関連動画の閲覧も可能。会場に設置されたタグをクリックするだけで、簡単に見られるので、VR操作に詳しくない方でも展示を楽しめるでしょう。
燕三条地場産業振興センターからコメントも
2023年3月1日より開催されている「燕三条ものづくりVR展示館」の制作には、Matterportを使用しています。リリースに際し、燕三条地場産業振興センターは「コロナ禍でオンライン化が進むなか、これまでとは異なる環境で、燕三条の優れた加工技術をPRできる場となることを期待したい」とコメント。
燕三条市を中心とした地域に行ったことがない、伝統産業について知らないという方々にも、魅力的な製品を知ってもらう場として活用していくことが期待されます。
地域に貢献?VRコンテンツを体験してみよう
今回ご紹介したVRコンテンツは、燕三条市の「ものづくり」の魅力を世界へ発信し、金属加工製品のPRや、金属加工の受注という、地場産業の発展に効果が発揮される見込みです。また、燕三条市への観光など、多方面においてうれしい効果を得られる可能性もあるでしょう。
「燕三条市ものづくりVR展示館」の開催期間は、2023年3月1日から1年間。今後もまだまだ自由に展示品や説明を閲覧できますので、好きなタイミングでぜひアクセスしてみてください。