国内はもちろん、世界でもメタバース技術の革新や、新たなサービス創出のための取り組みが実施されています。韓国では3月に、大規模なメタバースファンドの公募を開始しました。日本円にして40億円規模の支援が行われるこのファンドは、どのようにして実施されるのでしょうか。
今回は、韓国政府が発表したメタバースファンドに関する情報を、お届けします。
メタバースは「重点産業分野」
韓国政府は、2021年に「大韓民国デジタル戦略」を発表。メタバースについて、AIや半導体、量子コンピューティングなどと同様に「重点分野産業」に位置づけるとしました。
その後、韓国ではメタバース倫理原則の策定、「メタバースソウル」というバーチャル行政プラットフォーム運用など、国を挙げてのメタバース活用を行っています。こうした取り組みは、アジア諸国のなかでも進んでいるといえるでしょう。
政府主導の大規模投資を実施
そんな韓国の科学技術情報通信部は、3月7日に「メタバースファンド」を運用する投資会社の公募を開始。ファンドは400億ウォン、日本円で約40億円規模となります。
ファンドはメタバース分野の中小ベンチャー企業向けのもので、事業領域と事業規模の拡大に向けた、買収や合併の活性化を支援します。韓国政府はこれまでも注力しているメタバース分野において、今回のファンドを通じ、国内メタバース関連企業が、グローバルでの競争力を高めるために必要な支援を、積極的に実施していく模様です。
40億円規模のファンド創成を目指す
韓国のメタバース分野の中小ベンチャー企業は、技術やアイデアを持っているにも関わらず、投資リスクが高いために民間投資誘致が困難だと、韓国政府は指摘しています。そこで、政府の支援が必要な時期だと判断し、今回のファンドに至ったようです。
大規模なメタバースファンドは、400億ウォンのうち政府から240億ウォン、民間企業が160億ウォンを拠出するとされています。そして、この資金がメタバース関連事業に対し、迅速かつ安定的に供給されるよう、投資促進誘引策の運用も予定しているとのこと。
まだまだ注目されていない企業の、優れた技術やさまざまなアイデアが、無駄にならないよう、韓国のメタバース技術発展のために有効的に活用されることが、期待されます。
今後のメタバース発展に注目
今回の大規模ファンドが、韓国のさまざまなメタバース関連企業にどういった影響を及ぼすのかは、韓国国内はもちろん、世界のメタバースに関わる企業などからも注目が集まっています。
世界のメタバース事情を知り、日本国内でもさらなるメタバース分野の発展に生きるとよいですね。