2025年に開催される、大阪・関西万博の1つの目玉として公開されたメタバース「バーチャル大阪」。さまざまなイベントや見どころを用意し、多くの方のアバターでにぎわっていましたが、来場者が激減していると話題になっています。今後、2025年開催の大阪・関西万博に向け、メタバースは活気を取り戻すことができるのでしょうか。
今回は「バーチャル大阪」の現在と今後について、ご紹介します。
「大阪・関西万博」の目玉として開設された「バーチャル大阪」
2025年4月から10月まで、大阪で開催予定の「大阪・関西万博」。開催日までいよいよ2年を切り、地元・大阪を中心に関西地方は盛り上がりを見せています。そんな大阪・関西万博の一環として、およそ1億円をかけて開設されたメタバース「バーチャル大阪」。
場所や時間を問わず、世界から多くの方が訪れ、大阪の魅力について知ってもらい、万博への期待感を高めるワールドとして、開設当初は大きな話題となりました。
2022年10月には新エリアも公開
2021年12月にオープン、2022年2月28日より本格展開しているバーチャル大阪は、同年10月に新エリアを公開。大阪の歴史や文化に触れられる「今昔街」は、歴史深い寺内町、観心寺や金剛寺などの神社仏閣をモチーフとした空間です。
神社仏閣ゾーンでは、バーチャル参拝などの新たな体験ができます。また、歴史的魅力にあふれる寺内町ゾーンは、古きよき街並みを楽しむことはもちろん、「寺内町百鬼夜行」という、妖怪捕獲ゲームも体験可能です。
さまざまなイベントで多くの来場者があったが…
新エリアの登場はもちろん、既存の太陽の塔を中心とした「エントランス」、大阪城や梅田スカイビル、商店街など大阪の街並みをリアルに再現した「新市街エリア」などで、大阪の見どころを発信している「バーチャル大阪」。ワールドのクオリティはもちろん、ハロウィンや笑いと音楽のイベント開催など、さまざまな工夫で来場者を集めていました。
オープン当初は1ヵ月のべ10万人が来場し、活気にあふれていたメタバースも、1年と経たないあいだに来場者が激減。現在は1ヵ月の来場者がおよそ5000人程度と、ピーク時の20分の1となっています。
実際、バーチャル大阪に足を運んでみると、辺りは閑散としており、ほかのアバターを見つけることは難しい状況です。バーチャル空間はリアルな「移動時間」や「混雑」を避けられるのも魅力ですが、広い空間にぽつんと自分のアバターだけがいる状況は、少し寂しさも感じるのではないでしょうか。こうしたバーチャル空間の「過疎化」は珍しいことではありませんが、万博に向けて多額の費用をかけて作ったワールドが状況を回復するためには、今後より魅力的なイベントや空間作りが欠かせないといえます。
イベントを実施するには1回あたり数百万円かかるため、大阪府が運営する「バーチャル大阪」で頻繁にイベント開催をするのは難しく、こうした状況になったという声も。今後は公営ではなく、「バーチャル渋谷」のような民間主導で費用面の問題をクリアし、原状を回復していくことが求められるのではないでしょうか。
万博まで2年!「バーチャル大阪」に再び活気を
大阪・関西万博までいよいよ2年となった今こそ、「バーチャル大阪」をフルに活用し、万博についてPRするチャンスです。大阪の魅力をたっぷり詰め込んだメタバース空間が、再び多くの方でにぎわうことを期待しつつ、大阪・関西万博本番を楽しみに待ちましょう。