ミラノ・コレクションへの出展経歴もあるファッションブランド「ATSUSHI NAKASHIMA」が、株式会社BALと共同で、VRChat向けのバーチャルファッションの販売を発表しました。ATSUSHI NAKASHIMAのデザインは、どのようにバーチャルで再現されたのでしょうか。

今回はバーチャルで再現した世界的ファッションブランド「ATSUSHI NAKASHIMA」の魅力とこだわりをお伝えします。

ミラノ・コレクションにも出展！「ATSUSHI NAKASHIMA」とは

ATSUSHI NAKASHIMAは、2010年にデザイナー「中島篤」がスタートさせたファッションブランドです。2012年に東京コレクション、2015年にミラノ・コレクションと、数々の大規模なファッションショーで作品を発表してきました。

「クラシックであること」をコンセプトとする中島のファッションは、クラシックさを表現しつつ時代に合わせた再改造や、近年あらゆる場で活躍している3Dプリンターでの洋服制作など、想像のつかない型破りなデザインが特徴です。

また、堂本剛さんとソロプロジェクトを行ったこともあり、ファッションとミュージック、そしてアートを融合させたコラボレーション「ENDRECHERI」も大きな反響がありました。

バーチャルファッションブランド「only 4U」を展開

今回ファッションブランドATSUSHI NAKASHIMAを3D衣装に再現したのは、バーチャルWeb制作や3DCG制作などを行っている株式会社BALと、ハイクオリティなMMDファッションデザイナー「わらしべ長者」さんが共同開発した、バーチャルファッションブランド「only 4U」です。わらしべ長者さんがファッションブランドATSUSHI NAKASHIMAのバーチャルファッションとして、3D衣装制作と監修を担当し、リアルに近い布の質感・シワの表現などにこだわって制作しました。

only 4Uでは、第一弾として2023年のミラノ・コレクションに出展したATSUSHI NAKASHIMAの衣装を3D衣装へと再現。バーチャル世界でファッションを楽しみたい方に向けた衣装として、リリースを予定しています。コレクションに出展した実際の衣装は「環境問題」をテーマとしており、ペットボトルを原料とする「マテリアルリサイクルのポリエステル糸」で、環境保護とファッション性を兼ね備えた布を使用しています。

デザイナーの思いは…

ATSUSHI NAKASHIMAのファッションデザイナー中島篤さんは、3年前のコロナ流行拡大で自身の体調に影響が現れたことをきっかけに、食や環境汚染に注目した服の制作を始めたといいます。そのため、環境負荷が少ないバーチャルファッションは、地球に優しく生活や社会に持続可能な展開が期待できる手段であり、同時に「バーチャルとファッションを融合させることによる新しいクリエーション」を目指せるファッションとして期待を寄せ、参入を決意したようです。

個性的な衣装をバーチャル空間でも

世界的ファッションブランド「ATSUSHI NAKASHIMA」のリアルな質感をバーチャルファッションブランド「only 4U」が3D制作で再現しました。バーチャル世界でファッションを楽しめることはもちろん、デザイナー・中島篤が考える「環境に優しく生活や社会における持続可能な展開」も、バーチャルファッションによって実現できる取り組みとなったことでしょう。

今後もリアルとバーチャルの技術が融合した、新たな展開や環境問題を解決する策に期待が高まります。