福岡県が2022年より取り組んでいた、仮想世界プラットフォームを活用した就労支援プログラムが、本格的に始動しました。メタバースを利用した就労支援は、どういった内容を実現できるのでしょうか。
今回は「ふくおかバーチャルさぽーとROOM」に関する情報を、お届けします。
仮想世界プラットフォーム「Second Life」とは
福岡県が解説した就労支援仮想世界プラットフォーム「Second Life」は、2003年にアメリカにあるリンデンラボ社がリリースしたソフトウェアです。仮想空間内で生活ができるというソフトウェアで、「メタバースの先駆け」といわれることも。
「Second Life」では、ユーザーはアバターを作成し、世界中の街を観察したり、ほかのユーザーとコミュニケーションを取ったりできます。「先駆け」といいながらも、内容は現在のVRChatなどと同じだといえるでしょう。
「ふくおかバーチャルさぽーとROOM」で就労支援を
そんな「Second Life」に開設された「ふくおかバーチャルさぽーとROOM」は、バーチャル空間で就労に向けたさまざまな支援を利用できるものです。冒頭で述べた通り、2022年にはトライアル運転が実施され、本格始動に向けて改良が行われてきました。
就労支援を受ける方のなかには、リアルの世界で外に出たり人と関わったりすることに、心理的抵抗感を感じる方もいます。こうした方々が抵抗感をなくし、よりよい就労支援を受けられるかどうかという調査や研究が、トライアル運転では行われていました。
参加の条件は…
本格的に始動した「ふくおかバーチャルさぽーとROOM」で受けられる支援は、以下の通りです。
- アバター個別心理相談
- ビジネスマナー等のスキルアップセミナー
- ジョブトレーニング(就労体験)
- バーチャル居場所
- バーチャル交流会(コミュニケーショントレーニング)
リアルでの対面に苦手意識を持っている方も、音声やチャット機能を活用して匿名で参加できます。
就労支援を受けるためには、福岡県内の「若者サポートステーション」をはじめとした、支援機関への登録が必要です。参加費は無料ですが、利用条件の詳細は福岡県の公式サイトなどで確認しましょう。
バーチャル空間の可能性は無限大!自治体の今後の活用に期待
5月10日にはアバターの作成方法、操作方法などの導入セミナーも実施された「ふくおかバーチャルさぽーとROOM」。今後もさまざまな機能で、県内の方の就労支援を実施していくことが期待されます。
新たな試みが多くの方の働く機会につながるのかにも、注目していきたいところです。