2016年は「VR元年」ともいわれ、VRがさまざまなシーンで活用されるようになる節目となる年でした。その後もVRは進化を遂げ、多くの活用事例も見られます。
VRと共に、昨今注目を浴びているのがメタバース。2022年はのちに、「メタバース元年」といわれる可能性があるほど、メタバースの進歩が著しい1年だったようです。
メタバースニュースでも日々、メタバースやVRに関するあらゆるニュースをお届けしています。今回は、今一度メタバースの定義について、VRとメタバースの違いを確認していきましょう。
メタバースには7つの要件がある
メタバースはアルファベット表記で「Metaverse」と書き、「Meta」は「超越した」、「verse」は「宇宙（Universe）」を組み合わせた造語です。オンライン上で、他者と体験を共有できる仮想空間であるメタバースには、以下の7つの要件があるといわれています。
- Persistent（永続的である）
- Synchronous and live（同時体験＆リアルタイムのライブ性がある）
- No cap to concurrent participants（参加人数が無制限である）
- Fully functioning economy（参加者によるものの制作や保有、投資、売買などが可能である）
- Both digital & physical worlds（デジタルと物理の両世界にまたがっている）
- Unprecedented interoperability（今までにない相互運用性がある）
- Wide range of contributors（数多くの企業や個人がコンテンツ、体験を供給する）
以上の定義に当てはまるものを「メタバース」とすると、仮想空間で交流や生活を楽しむ「あつまれどうぶつの森」なども、メタバースの1つだといえるでしょう。
国内にはメタバース協会が乱立
企業や自治体がメタバースを事業に活用する事例は、昨今急増しています。それに伴い、国内にはメタバースに関する協会が乱立。これも、2022年が「メタバース元年」と呼ばれるのではといわれる理由の1つです。
代表的な国内のメタバース協会には、次のようなものがあります。
- メタバース推進協議会（代表理事を養老孟司氏が務める協議会）
- 日本デジタル空間経済連盟（SBIホールディングス主導、大手企業が複数参加）
- 一般社団法人メタバースジャパン：パナソニック、KDDIが中心となり発足
- 一般社団法人メタバース協会（2021年12月に設立した大きな団体）
メタバース関連の多くの団体が誕生していることは、今後メタバースが大きな産業になると期待されていることにつながります。また、2021年頃からは「メタバース」という言葉の検索トレンドも急増しており、専門家だけでなく多くの方からメタバースが注目を浴びていることもわかるでしょう。
VRとメタバースは結局何が違う？
「仮想現実」を意味する「VR」。メタバースも大義は「仮想世界」で、VRと同じように感じられます。結局、VRとメタバースにはどういった違いがあるのでしょうか。
VRは360度、3Dのリアルな映像で高い没入感が体験できるものです。一方、メタバースはこの要素を必要としない場合もあります。
仮想世界を自由に動き回れるという要素は必須ですが、VRゴーグルをはじめとしたリアルな映像を楽しむためのツールなしで体験できるメタバースも多くあり、スマホやパソコン、テレビなどの画面から気軽にアクセス可能です。「あつまれどうぶつの森」などはよい例でしょう。
仮想空間、仮想体験、仮想世界など共通する部分も多くありますが、前述の相違点のほか、VRはリアルタイムで他者との共有体験を必須としないといった異なる点もあります。VRとメタバースが厳密には違うものであることは、明らかです。
幅広い活用が期待されるメタバースに触れよう
メタバースは仮想空間を自由に動き回り、多くの方とリアルタイムで同じ体験やコミュニケーションを楽しめるものです。VR技術を活用すれば、より高い没入感で充実した時間を過ごせるでしょう。
2022年がメタバース元年と呼ばれるかは、2023年以降のメタバースの活用や進歩にかかっています。今後も幅広い活用で浸透していくことが期待されるメタバースを、より身近な存在にしていきましょう。
