過去にもメタバースニュースでご紹介したメタバース「子ども宝物自慢展示」ですが、展示が一般公開されるなどして、注目されています。新たに登場したワールドでのイベントには、障害を持つ子どもたちへのさまざまな影響力があるようです。
今回は、改めて「子ども宝物自慢展示」の魅力をお伝えします。
「子ども宝物自慢展示」とは
「子ども宝物自慢展示」は、特別支援学校・学級の子どもたちによるアートや作文、習字などの作品を、メタバース上で展示するものです。バーチャルプラットフォームDOORに作られたメタバース空間では、小学生から高校生までの子どもたちの作品が展示されています。
ニューメディア開発協会・ベネッセこども基金の主催で実施されている、同イベント。病気療養、発達障害、四肢不自由、不登校などのハンディを持った子どもたちも、笑顔で学校生活に参加することを支援する取り組みです。また、アバターを使って行う新たなコミュニケーションで、社会における活動の場を広げていくことを目的としています。
作品が世界中に発信される魅力
現実世界では、特別支援学校・学級の子どもたちの作品が大々的に展示される機会は少ないといいます。学校内や都道府県内の会場で展示されることもありますが、そこに足を運ぶのは身近な教師や家族など、限られた方のみです。
「子ども宝物自慢展示」はメタバースなので、作品を世界中に発信できます。不特定多数の方に自慢の作品を見てもらえることはもちろん、遠方の親戚などもインターネットを通じ、気軽に作品展示を楽しめると好評のようです。
「交流」「賞賛」の経験が自信に
リアルな世界では、展示スペースに飾られた作品に興味のある方だけが見に来て、納得して終了ですが、「子ども宝物自慢展示」では作品に対する質問がでることもあります。これに対し考え、回答し、「すごいね」と褒められたり、交流や賞賛を受けたりする経験が、特別支援学校・学級の子どもたちに大きな効果をもたらします。
病気や障害を持つ子どもたちは、自己肯定感があまり高くない傾向にあります。そういった子どもたちが自分の手がけた作品を評価され、肯定されると、大きな自信になるようです。また、知らない人と交流する、思わぬ質問に頭をフル回転させるという経験も、子どもたちの刺激になり、プラスの効果となります。
成長の場にもなるメタバースの未来は…
ただ作品を展示するだけでなく、特別支援学校・学級に通う子どもたちの成長の場としての活用も期待される「子ども宝物自慢展示」。一般公開で、私たちも普段見ない世界や新たな芸術に触れられるのではないでしょうか。
メタバースがさまざまな立場の方によりよい影響を与えてくれることに、期待しましょう。