2023年5月、ソニーが新製品「ELF-SR2」を発表しました。裸眼でも立体映像を楽しめるという新時代のデバイスには、どのような魅力が詰まっているのでしょうか。
担当者の今後の展望とともに、製品の概要をご紹介します。
「ELF-SR2」とは
「ELF-SR2」は、ソニーが開発・発表した空間再現ディスプレイです。5月22日に発表され、同日には製品体験会も実施されました。
独自の高速ビジョンセンサーと、視線認識技術により、リアルタイムに立体映像を生成する「ELF-SR2」。画面を見ている人の瞳の位置情報を把握することで、迅速に左右の目に立体的な映像を届けられます。
過去には15.6インチの「ELF-SR1」も発売されており、今回の「ELF-SR2」はビジネス用途を想定したさらに大きな画面へとリニューアルされています。
新製品の魅力
新製品は、医療教育やヘルスケア、建築・設計、インダストリアルデザインなどでの使用をメインに開発されました。このほか、エンターテインメント、ショールーム・展示など、幅広いビジネスシーンでの活用も期待されています。
ディスプレイのサイズは27インチとさらに大きくなり、多くの物体を原寸大で表示できます。画面が大きくなったにも関わらず解像度は向上。映像補正処理も追加されるなど、性能の大きな進歩が見られる一方で、ゲーミングノートPCでも動作するほどCPUの負荷が軽減されました。
担当者が今後の展望を語る
バーチャル映像とは思えない立体的でリアルな映像を、大型のディスプレイで、しかも裸眼で楽しめる「ELF-SR2」。ソニーのメタバース事業開発部門担当者は、「基本的にはBtoB領域での活用を想定しているデバイスで、主に医療と点群データ領域で実売を得ている。」と語ります。
現在は一般での利用も視野にいれ、模索をしている最中とのこと。アンケートも活用しながらさまざまな意見を集め、多方面で利用できるデバイスを目指すそうです。
新感覚のディスプレイで未来が変わる?
立体的な美しい映像を、VRヘッドマウントディスプレイなしで堪能できる「ELF-SR2」。現状、没入感はまだVRが勝っていますが、「ELF-SR2」にしかできない活用方法もどんどん生みだされていくのではないでしょうか。
「ELF-SR2」とVRが「対立」するのではなく、「両立」することで、我々により魅力的なコンテンツを提供してくれることを期待したいですね。