非日常的な体験ができるメタバースは、幅広い分野で活用されています。膨大な数のワールドが存在するVRChatには、日頃のストレスを発散できる一風変わった空間もあるようです。

今回は、現実ではできない「破壊」をテーマにした3つのVRChatワールドをご紹介します。

思い出を破壊する「元カレの部屋 Ex’s house」

「元カレの部屋 Ex’s house」は、あるアパートの一室を再現したワールドです。しかし、なぜか玄関に釘の刺さったバットとバールのようなものが浮いており、部屋には「元カレの部屋」という表示があります。

この武器を手に元カレの部屋に侵入し、記念写真やダブルベッドなど、幸せだった過去を連想させるアイテムの並ぶ部屋をめちゃくちゃにするというのが、ワールドのコンセプトです。壁にはスコアが計測され、部屋の破壊度が一目でわかります。

夜のビル街をなぎ倒す「Let’s Destroy City」

「Let’s Destroy City」は、夜のビル街を巨大な生き物になって壊していくワールドです。ビルをなぎ倒したり、道を走る自動車をつまみ上げたりと、さまざまなアクションができます。

静かにそびえ立つ明かりの灯(とも)るビル群は、静寂のなかでも確かにそこに人の気配を感じさせます。ワールド内を闊歩(かっぽ)し、思うままに腕を振り回せば、平和な街を破壊する怪獣になったような気分を味わえるでしょう。

郊外の一軒家で銃を乱射する「Destructictible House」

「Destructictible House」は、1900年代後半のアメリカを連想させる一軒家を壊すワールドです。ワールドに入ると、そこはトラックの荷台。体験者は荷台に積まれた武器を手に、アメリカ風の家を外から、そして中に侵入して破壊します。

夜の静けさのなかに、自身が放つ銃の乱射音だけが響き渡る様子は、現実世界では決して体験できるものではありません。幸せな家族がつい先刻までいたような、何の変哲もない空間をひたすらに破壊することで、体験者は何を感じるのでしょうか。

バーチャル空間の活用方法はさまざま

今回ご紹介したワールドは「破壊」をテーマにしていますが、そこに人は存在せず、仮想空間といえども誰かを傷つけることはありません。「敵を倒す」ことをコンセプトにしたゲーム要素の強いワールドも数多く公開されるなか、自分しかいない空間で無心に目の前に広がる世界を壊すのは、現代社会で抱えるさまざまなストレスの緩和にもつながるのではないでしょうか。

バーチャル空間は、アイデアの数だけ活用方法があるといっても過言ではありません。個性的なワールドのなかから、自身のプラスになるものを見つけていきましょう。