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心理的負担を軽減?「VR裁判所」が話題に

裁判所でのVRを活用した取り組みに、世界から注目が集まっています。既にオランダで試験導入されている「VR裁判所」は、今後スコットランドでも展開予定。VRを通して、裁判所はどういった効果を見込めるのでしょうか。

今回は「VR裁判所」に関する情報をまとめました。

国際刑事裁判所で試験導入中の「VR裁判所」

「VR裁判所」は、VRを活用して犯罪被害者の証言をサポートするソフトウェアです。北アイルランドのVR企業Immersonalが開発し、オランダ・ハーグの国際刑事裁判所で試験導入中です。

Immersonalはスコットランドの政府と50万ポンドの契約を結んでおり、2024年にはスコットランドにある52の裁判所にも導入される予定です。サービスの提供は12ヵ月間に渡るようで、VR裁判所が犯罪被害者の方にもたらす影響はもちろん、裁判にどういったプラスの効果を与えてくれるのかも、検証されます。

ヘッドセットを通じて仮想法廷へ

VRヘッドセットを装着すると、目の前には仮想法廷が広がります。犯罪の被害に遭った方は仮想法廷で、法廷内の様子やそこにいる人の様子を見ることが可能です。

また、法廷事務官など個人をクリックすると、その人が裁判においてどのような役割を担っているのかを説明してくれます。

目的は「被害者の心理的負担軽減」

実際の裁判の前にVRヘッドセットを通してVR裁判所を訪れることで、裁判所の雰囲気を知り、そのプロセスへの理解を深められます。ImmersonalのCEOを務めるトム・ヒューストン氏によると、VR裁判所は被害者の心理的負担を軽減することを目的に開発されたそうです。

事前に法廷の様子や裁判の流れを経験すれば、「次は何をするのか」「どういったことを聞かれるのか」という不安も緩和されます。裁判所という頻繁(ひんぱん)に訪れることのない場所での証言は、少なからず緊張感を抱くものですが、事前に法廷の雰囲気を理解しておけば、より正確で有益な証言も可能になるのではないでしょうか。

幅広い分野にVRを

オランダで既に試験導入されており、今後スコットランドでも多くの裁判所で導入が予定されているVR裁判所。試験導入の結果がよいものであれば、世界中に広がり、日本国内でもVR裁判所が被害者の方をサポートするツールになると予想されます。

新たな分野へのVRの進出は、VRの未来の可能性をさらに大きく広げたといえるでしょう。今後もさまざまな分野で、VRをはじめとしたXR技術が導入・活用されることに期待したいですね。

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