ノキアとアーンスト・アンド・ヤングが共同で行ったメタバース活用に関する調査の結果が、公表されました。日米を含む6カ国を対象に行われた調査では、どのような発見があったのでしょうか。
調査概要や、調査結果から見えるメタバースの今後について解説します。
調査概要
今回の調査は、2023年3月に実施されました。対象国はアメリカ、イギリス、ドイツ、日本、韓国、ブラジルの6カ国で、自動車、製造業、物流、電力及び公共サービスの4業種の企業の経営幹部レベルの社員860名が、オンラインで回答しました。
調査では、メタバースを「デジタル世界と物理世界の融合」と定義。メタバースのビジネスへの活用に対する期待感、導入企業の業務への効果などの調査結果をまとめて公表しました。
調査ではメタバースを最重視する傾向が
メタバースのユースケース導入企業に属する回答者は、8割が「メタバースがビジネスにもたらす影響は大きい」と回答。また、「自社のビジネスに重大かつ変革的な影響を与える」と考えているとのことでした。
さまざまなユースケースがあるなかで、最も多く使用する可能性が高いと判断されたのは、「従業員の育成・スキルアップのためのトレーニングへのAR技術の活用」で、また4業種中3業種は、「研究開発における製品設計やプロセス強化に、VR技術を使用する」と回答しています。
9割以上が「2年以内の導入」を予定
現在、メタバースの試験導入や本格導入への移行を行っている企業は、アメリカ・ブラジル・イギリスが6割を超えており、日本と韓国は5割弱です。メタバースを導入していない企業は3~5割ほどですが、そのうちの9割以上が「2年以内にメタバースの導入を始める予定だ」と回答しています。
アーンスト・アンド・ヤングの担当者は、今回の調査結果について「産業用・企業用のメタバースは、業務目標達成に向けて明確な需要が見て取れる。すでに多くの組織が初期段階の導入で、具体的なメリットを得ている」と、コメントを残しています。
さまざまな企業の動きに注目!
世界6カ国を対象に行われたメタバースに関する調査で、日本のメタバース導入率は世界と比べるとやや低いことも分かりました。しかし、日本企業も今後、メタバースを積極的に導入する姿勢を見せており、実際に国内でのメタバース導入事例は増加傾向です。
今後もさまざまな企業の動きに注目しながら、メタバースのメリットや世界との比較についても、取り上げていきたいと思います。