株式会社BiPSEEが追加資金調達を実施し、話題となっています。新たに調達した資金は、VRデジタル療法のさらなる研究開発に役立てられるようです。
今回はBiPSEEの研究しているVRデジタル療法に、どのような効果が期待されているかなどをご紹介します。
追加資金調達を行ったBiPSEE
株式会社BiPSEEは、東京都渋谷区を拠点に、VRデジタルソリューションの研究開発を行う企業です。心療内科の臨床経験を基盤に、VRを活用した治療を実現するため、さまざまな研究を行っています。
BiPSEEは、ARやVRを「怖くない、痛くない治療」の実現をサポートするコンテンツとして捉え、子ども向けの目に優しく安全な医療VRコンテンツを開発。さまざまな取り組みで注目を集め、2021年のプレシリーズAラウンドに続き、2023年6月1日に追加資金調達を実現しました。今回の追加資金調達には、新規投資家として高知銀行グループのオーシャンリースを迎えています。
「VRデジタル療法」とは
BiPSEEは「VRデジタル療法」の研究・開発を行っていることでも知られています。これはVRとスマホアプリを用いた、新しい治療法です。うつ病を中心とした精神疾患の患者への有効的な治療として注目される「VRデジタル療法」は、特にネガティブな感情や事柄に対し、繰り返し考えてしまう「反すう」の傾向が高い患者に効果が見込めるといわれています。
「反すう」傾向の高い患者は、抗うつ薬が効きにくく、よりよい治療法が日々模索される対象でもあります。WHOによれば、日本で500万人、世界では3億人以上がうつ病を患っているといわれており、投薬治療のみでは不十分であることも少なくありません。「VRデジタル療法」は、そんなうつ病患者向けの新たな治療法として有効だと、BiPSEEは考えます。
探索的試験を実施中
回復・完治の基準が難しい精神疾患に対し、BiPSEEが考案した「VRデジタル療法」。現在同社は、高知大学と共に、患者を対象とした探索的試験を実施中です。試験を通して医学的な有用性を確認し、薬事承認の許可を目指すことを、目標にしています。
VRがうつ病の改善に効果をもたらすか
VRがさまざまな病気の治療やトレーニングにも、よりよい効果をもたらしている事例はこれまでにも存在します。現在、探索的試験を行っている「VRデジタル療法」も、うつ症状の改善・緩和によりよい効果をもたらすことが明らかになれば、精神的な不調で苦しむ多くの方の助けになることは間違いありません。
今後もBiPSEEの動向に、注目していきましょう。