VR映像をはじめ、XR関連の部門の設置を積極的に実施しているベネチア国際映画祭。8月30日から開催される第80回映画祭では、VRChat特集を行うことが明らかになりました。
今回は、VRChat特集について、ご紹介します。
XR関連の作品を積極的に紹介しているベネチア国際映画祭
イタリア・ベネチアで行われるベネチア国際映画祭は、1932年の初回開催からおよそ90年と、世界最古の歴史を持つ映画祭です。カンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭と並ぶ、世界三大映画祭の1つとしても有名で、日本人監督が手がけた作品、出演した俳優も、数々の賞を受賞しています。
長く続く映画祭というと、伝統を重んじるイメージも強いのですが、ベネチア国際映画祭ではVR関連の作品を評価する部門も設置し、映像の世界の新たな技術や作風が、世界の人々に注目をされる機会も提供しています。
VRChatにはXR部門公式ワールドも
2023年の第80回べネチア国際映画祭は、8月30日(水)から開催されます。今回は、「Venice Immersive」というXR部門で、世界中で人気のメタバースプラットフォーム「VRChat」から厳選したワールドを紹介することでも、話題となっています。
もともとべネチア国際映画祭には、「Venice VRExpanded」というVR作品のみを評価する部門がありましたが、2022年から対象を拡大し、部門名も「Venice Immersive」へと変更。XR作品全般を扱うようになりました。昨年は、日本人監督によるVR演劇「Typeman」がノミネートされ、国内のXRコンテンツファンからも注目を集めました。
今回は、同部門の公式バーチャルワールド「Venice Immersive World」で、VRChat内の24のワールドが紹介される予定です。
日本人制作のワールドも選出!
ベネネチア国際映画祭の「Venice Immersive」は、イタリアのラッヅァレット・ヴェッキオ島で行われます。「Venice Immersive World」には、世界各地のクリエイターが制作した、ハイクオリティで魅力的なワールドが選出されており、なかには日本人による作品も。
たとえば、期間限定のサンリオVRフェスで話題となったパフォーマンスを再公開するために制作された「Beyond a bit – 想像のちょっと先へ」や、40点の「予想を裏切る」仕掛けのある一枚絵が展示された「小さな裏切り者たち 展」などは、世界でも高い評価を得ているワールドです。
このほかにも、20世紀中盤から後半のロシアの歴史と思い出を表現した「Epilogue․ Chapter 1․(Chapter 2․)」や、5種類の衣装とアクセサリー、さまざまなシチュエーションの部屋を用意したワールド「VEINPRM0118」、埼玉県の「首都圏外郭用水路」にインスピレーションを受けて作られた「Storm Drain」など、個性あふれるワールドが、映画祭で紹介される予定です。
魅力的な世界を体験しよう
世界の大きな映画祭で紹介されるVRChatのワールドは、どれもバーチャル空間ならではの演出や非日常的な体験で、体験者を引き込みます。VRChatは誰でも気軽に足を踏み入れられる空間ですので、注目のワールドに気軽に遊びに行けるのも、メリットの1つでしょう。
人気のワールドがどのように紹介されるのかも、いまから楽しみです。