警視庁が、メタバースでサイバーセキュリティのインシデント対応訓練を行うと,。発表しました。大日本印刷のサービスを採用した訓練のほか、メタバース空間「バーチャル秋葉原」での認知啓発コンテンツの研究も予定しています。
今回は、詳細な情報をまとめました。
既にXR・メタバースを活用している警察機関
警察機関のXRやメタバースの活用は既に実施されており、VRヘッドセットでの自己体験や、犯罪者・被疑者理解のためのコンテンツなどがあります。また、PR活動にVTuberを起用したり、国際機関でもメタバースを構築したりと、幅広い活用が見られますが、同時体験型の防犯イベントを行うという取り組みは、日本国内はもちろん、世界で見ても「異色」だといえます。
今回発表されたサイバーセキュリティのインシデント対応訓練は、2024年1月にスタートする予定です。
訓練には「謎解きイベント」の知見を
インシデント対応訓練には、大日本印刷の「ロールプレイング型メタバース構築サービス」を採用。チュートリアル・シナリオ体験・フィードバックのテンプレートで構成されたロールプレイングは、1グループ4名、最大10グループが協力して行います。ロールプレイング中のコミュニケーションには、ボイスチャット機能を活用し、課題解決のために取り組みます。
大日本印刷によると、このサービスには「渋谷区立宮下公園 Powered by PARALLEL SITE」での謎解きイベントや、「サイバーナレッジアカデミー」などのノウハウが生かされているといいます。さまざまな学びを提供するコンテンツへの応用が可能ですので、今回の訓練にも有効なのではないでしょうか。
バーチャル秋葉原に「警視庁サイバーセキュリティセンター」設置へ
大日本印刷はさらに、株式会社AKIBA観光協議会とともに運営する「バーチャル秋葉原」に、「警視庁サイバーセキュリティセンター」を設置することを発表しました。警視庁は、バーチャル秋葉原のエリアの特長を生かし、認知啓発コンテンツの企画・制作を進めていくようです。
尚、警視庁のサイバーセキュリティ対策本部は、2022年7月、大日本印刷株式会社のほか、中央大学や明治大学専門職大学院、Zホールディングス株式会社、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループと、「サイバーセキュリティ人材の育成に関する産学官連携についての協定」を締結しています。提携を通じ、研究や教育の相互支援、人材交流を図ることを発表していましたが、今回のサイバーセキュリティ訓練も、その一環だといえるでしょう。
「公共空間」としてのデジタル空間実現に向けて
XRやメタバースの活用が進むなか、デジタル空間はこれまでのように「個人が楽しむ空間」ではなく、「公共空間」としての重みを持つものへと変化しています。多くの方が快適に、同じ空間や時間を共有できる未来のために、今回の取り組みがどのように役立つのでしょうか。訓練スタート後の情報にも、注目していきましょう。