Metaの日本法人であるFacebook Japanは、神戸市とともにVR旅行体験会を開催しました。福祉にVRを活用するプロジェクトの一環として行われたこの体験会では、どのような収穫があったのでしょうか。
8月に実施されたVR旅行体験会
2023年8月1日、Facebook Japanと神戸市は、市内の特別養護老人ホームでVRを活用した旅行体験会を行いました。この体験会で使用されたVR旅行コンテンツは、3月からの4度にわたるワークショップをもとに制作されたものです。同コンテンツでは、明石海峡大橋や五色塚古墳など、神戸市内の名所を回ることができます。
「VRを活用した未来の福祉プロジェクト」とは
この体験会は、Facebook Japanの「VRを活用した未来の福祉プロジェクト」の一環です。目的は、VRやARの可能性を模索し、参加者が地域社会とより強くつながること。プロジェクトには、福祉領域におけるVRの活用のために、兵庫県神戸市や岩手県盛岡市などの自治体が協力しています。
体験会の反応は?
8月1日の体験会は、神戸市内にある特別養護老人ホーム「六甲の館」で行われました。入居者は「Meta Quest 2」を使用し、前述のワークショップ参加者からレクチャーを受け、VR旅行を体験。その反応はポジティブな内容が多く、「一緒に旅行をしているようだ」「楽しい思い出ができた」など、さまざまな声が集まったそうです。また、体験中も普段より身体を大きく動かす、明るい表情を見せるなど、感想だけでなく実際のリアクションにもポジティブな変化が見られたといいます。
「VRを活用した未来の福祉プロジェクト」に協力する、一般社団法人デジタルステッキ代表理事・登嶋健太氏は、2023年秋以降に岩手県盛岡市内でも同様のプロジェクトをスタート予定であることを明かし、「複数の地域で取り組みを推進し、VR体験を通して、さまざまな地域の方の交流が増えることを期待したい」ともコメントしました。
福祉へのVR活用に期待
VRを活用した旅行なら、加齢による不調などで外出が困難な方も、気軽に体験が可能です。神戸にゆかりある名所をVR旅行の目的地にしたことも、馴染み深い場所に再び足を運べる喜びを提供し、高齢者にとってはよい効果をもたらしたといえます。
福祉や医療などにVRを活用することは、高齢者の健康寿命を延ばすことにもつながるのではないでしょうか。
同プロジェクトの今後の動向、そして福祉業界全般のXR活用に期待し、注目していきましょう。