高知県は2023年8月、空き家対策の一環としてVRの活用を開始しました。Webサイトから空き家の様子を360度見られる「スペースリー」により、リアルな内見をしているような気分を味わえます。
今回は、高知県の空き家問題、VRの活用についてご紹介します。
高知県が抱える空き家問題
全国のさまざまな地域で空き家の増加が深刻視されていますが、四国・高知県もその1つです。2023年現在、高知県内の住宅空き家率は19%で、増加の一途をたどっています。しかし一方で、ワ―ケーション需要、リモートワークの増加などの影響で、移住者数が増加しているのも事実です。この10年間の高知県への移住者は約10倍になり、移住者への誘導がうまくいけば、空き家問題解消にもつながることが期待されています。
対策に「スペースリー」を導入
一般社団法人高知県UIターンサポートセンターは、空き家対策の一環として「スペースリー」を導入しました。これは、2016年より株式会社スペースリーが提供するソフトで、360度パノラマ画像の編集・管理がウェブブラウザ上でできるものです。
スペースリー導入により、オンラインでの物件案内がよりリアルになる「VR内覧」が簡単に実現できることはもちろん、バーチャルステージングやサイズ推定、画像補正など、さまざまな機能の活用が可能。職員が時間を作って空き家に向かい、内覧希望者に案内するという負担を軽減しながら、空き家への入居者増加を見込めます。
導入は3例目
「スペースリー」を活用したVR内覧は、高知県の移住ポータルサイト「高知県で暮らす。」から体験できます。現在、8つの物件が掲載されており、加えて11市町がVR内覧できる空き家コンテンツを準備中です。
「スペースリー」の導入事例は、広島県、和歌山県に続く3例目で、四国では初となります。既に「スペースリー」を活用している広島・和歌山では、職員の負担軽減を実感しながら、空き家の問い合わせや成約数も順調に増加しているとのこと。高知県でも継続した取り組みを予定しており、多方面においてメリットが得られることが期待されます。
空き家減少への貢献なるか
Webブラウザで手軽にVR内覧ができる「スペースリー」は、利用者はもちろん、運営側も多くのメリットを実感できるソフトです。今後、高知県の空き家率減少に、VR内覧がどのような効果をもたらすのかはもちろん、スペースリー導入事例の増加にも注目していきたいですね。