大日本印刷株式会社は、XR分野で注目を浴びる株式会社ハコスコの、グループ会社化を発表しました。近年、XR事業にも尽力する大日本印刷は、今回のグループ化によりどのような展開を見せるのでしょうか。
今回は、グループ会社となる2社のXR事業への取り組みなどをまとめました。
XR事業で注目のハコスコ
2014年創業の株式会社ハコスコは、XR事業のほか、ブレインテック事業も展開する企業です。VR体験をワンストップで実現できるプラットフォームを展開しており、VRライブやバーチャルツアー、フォトグラメトリなどさまざまなサービスで、企業の幅広い業種のXR分野への参入をサポートしています。
XRに力を入れている大日本印刷
一方の大日本印刷は、1876年創業の印刷会社です。印刷技術・情報技術を強みとしており、1950年代からは他分野への進出も果たしています。近年はXRコミュニケーション事業強化にも力を入れており、2025年度には2022年度の2倍の売上を達成することを目標としています。
大日本印刷のXRコミュニケーション事業は、2021年度よりスタートした新事業です。同社は「コンテンツ・XRコミュニケーション関連」の事業について、事業の収益性は小さいものの、市場の成長性や魅力度は大きいと予想しています。そして、事業環境の変化に対しても強い、事業ポートフォリオを実現することも目指しているようです。
グループ会社化でどう変わる?
ハコスコをグループ会社化することで、大日本印刷は大きく3つの取り組みを両社で実施していくことを発表しています。1つは、「メタストアの活用」です。ハコスコが開発・運営する「メタストア」を活用し、メタバース構築・運用支援をより強化。企業や自治体に共同提供し、作品展示や地域創生を支援します。
2つ目は、「シナジーの創出」です。大日本印刷の強み、そしてハコスコの強みである空間コンピューティング技術を掛け合わせ、3Dデータの構築やモデリング開発、決済・認証機能の強化などを進めます。そして3つ目は、「新事業領域の開拓」です。ハコスコのBMIや脳活動計測ソリューション、先端技術領域のネットワークなどを、大日本印刷の強みと連携し、新たな事業領域を開拓します。
新たなサービスや技術の登場に期待!
昨今、企業は同業で競い合うだけでなく、各社の技術を融合させ、新たな製品・サービスの創出、技術の強化を行う事例も増えてきました。特に、新領域であるXR分野では、こうした動きが強く見られます。
今回のグループ会社化により、私たちの生活がより豊かになる新たなサービス、技術が登場するのが楽しみですね。今後の情報にも、注目していきましょう。