XRデバイスを手がけるVarjoは、教育訓練サービスを提供するVertexとともに、アメリカ空軍大学に飛行教育訓練システムの提供を発表しました。XRを活用した操縦訓練は、学生たちにどのような効果をもたらすのでしょうか。
VarjoとVertexが提携
Varjoは、フィンランドに拠点を構えるXRデバイスメーカーです。「人の眼レベルの解像度の実現」を目標に掲げ、法人向けの超高解像度VR/MRヘッドセットの開発を行っています。日本でも、エルザジャパンなどが国内代理店を務め、Varjoの製品が販売されています。
そんなVarjoと提携するVertexは、アメリカの政府・企業向けに教育サービスを提供する企業です。これまで、軍事訓練用のフライトシミュレーターやXR研修教材、産業機器の3Dデザインなどを行い、アメリカ国内での貢献度を評価されています。
教育訓練システムを提供
今回の提携で提供されるのは、VertexのフライトシミュレータにVarjoのXRデバイスを装備した製品です。製品は、アメリカ空軍大学の学部生向けカリキュラムでの使用を目的としており、回転翼航空機の操縦訓練を体験できます。
Varjoによると、従来の訓練システムは機能が少なく、ビジュアルも時代遅れ。にもかかわらず多くのコストがかかるものでした。今回、2社の力で提供される新たなXRフライトシミュレーターは、オフィスなどでも使用でき、追加コストもかかりません。節約できるシステムの運用費は、300万ドルほどにもなるそうです。
2024年の運用開始に向けて
XRフライトシミュレーターは、2024年初頭の本格的な運用開始を予定しており、すでに両社は、アメリカ空軍によるユーザー評価を進めている段階です。今後は、米連邦航空局の製品規格で「認証レベル7」を取得する可能性もあるとのことで、Vertexの代表取締役社長は新製品について「パイロット訓練の未来だ」と、評価しています。
今後も運用開始に向けての動きに、注目していきます。
困難な訓練もXRで何度もできる!
XR技術を活用すれば、実際に体験することが困難な厳しい訓練や危険な状況などをリアルに体験できます。時とともに進化しているフライトシミュレーターですが、XRなら必要なスペースや費用を最小限に抑えながら、繰り返しの訓練も可能です。
新たなシミュレーターによる訓練効果、アメリカ空軍大学での評価などにも、注目していきましょう。