トヨタ自動車はアーク溶接作業用に、積木製作が開発した安全教育VRシステムを導入しました。VRを活用した安全でリアルなコンテンツによる社内教育で、労働災害の減少を狙います。
開発は実績豊富な積木製作
積木製作はこれまで、さまざまなVRトレーニングの開発を行っていることで知られています。松屋フーズ向けのトレーニングをはじめ、エンタープライズ向けのVR教育コンテンツを多数企画・制作している同社は、2023年8月、トヨタ自動車向けの開発事例を公式サイト上に公表しました。
アーク溶接作業の安全教育VR
安全教育VRには、アーク溶接作業時の工場内での事故を減少させるために、注意したいポイントが分かりやすくまとめられています。危険な服装や工具の使用方法、職場環境などを、フォトリアルな3D映像で再現しているので、現場に生きる知識が身につくでしょう。
トヨタ自動車は、今回開発された安全教育VRシステムでのトレーニングを、労働災害減少に役立てたいとしています。口頭での指導や写真、文章などでの注意喚起ももちろん有効ですが、動画として視覚に訴えること、そして3D映像によりまるで目の前で安全教育が実施されているような環境は、危険をより「自分ごと」として捉えることにつながると考えられます。
テストの受講も可能
安全教育VRは、映像再生中のリアルタイムテスト受講も可能です。採点結果もすぐに確認でき、体験者は自身の理解度がどれくらいかを把握し、不足している知識を解説テキストで読むことで、理解できるようになります。
テスト結果はVR画面上に分かりやすく表示され、項目ごとにすぐに解説が読める仕組みです。紙のテキストのように、自身で確認したい項目のページを探したりする手間もないので、面倒くささから見直しを怠るケースも減少するのではないでしょうか。
従業員の安全向上につながるか
VRを活用したトレーニングや教育コンテンツは、座学の機会が少ない方にも快適な学びの環境を提供し、知識の吸収・定着を促します。VR教育コンテンツが、トヨタ自動車社内での労働災害にどのような影響をもたらすのか、今後の報告にも注目していきましょう。
積木製作は今後、トヨタグループ内でのゲームエンジンを活用した、教育コンテンツ開発内製化を支援していく方針を明らかにしています。よりよいVRコンテンツが、トヨタグループの幅広い分野における活躍を後押ししてくれることに期待したいですね。