VRを防災に活用する事例は、過去にも多く存在します。大和ライフネクスト株式会社(東京都港区)は、新たにマンションの防災訓練に特化したコンテンツをリリースしました。
新コンテンツリリースの背景
大和ハウスグループの1つである大和ライフネクストは、株式会社理経(東京都新宿区)と協働で、新コンテンツ「VR防災訓練 地震編」を開発・リリースしました。
現在、分譲マンションに居住する国民は推計1割強おり、マンションにおける災害への備えも重要視されています。これを受けて大和ライフネクストと理経は、2021年11月よりマンション居住者向けの「VR消防訓練」の提供を開始。多くのマンション管理組合から高い評価を得ていました。
しかし、マンションで対策すべき災害は火災だけではありません。大和ライフネクストは2024年1月1日に発生した令和6年度能登半島地震、そして今後予想される地震の発生によって、多くの顧客から寄せられていた「地震災害に特化したコンテンツ開発」に踏み切ったといいます。
VRを活用したコンテンツの特徴
「VR防災訓練 地震編」に見られる特徴は、以下の3点です。
- いつでも、どこでも、何度でも参加可能
- 過去のデータに基づいた実践的な訓練内容
- マンション管理組合の負担軽減
コンテンツはスマホなどから気軽に体験できるので、自宅などにいながら防災訓練を行えます。大規模な防災訓練のように日程が決まっていないので、好きなタイミングで参加できますし、訓練を繰り返すことも可能です。
また、訓練内容には、地震発生時に実際に寄せられた問い合わせの内容、管理受託マンションでの被害状況を分析・反映しています。より実践的な訓練内容をVRによるリアルな映像で体験することで、万一の場合にも生きる訓練ができるでしょう。
「VR防災訓練 地震編」は訓練だけでなく、マンション居住者への訓練の案内から参加者の集計、訓練実施後のアンケートまで、必要な作業をすべて含んだサービスです。コンテンツの利用によって、マンション管理組合の防災に関する負担を軽減できるのも、特徴だといえます。
「VR防災訓練 地震編」の内容
魅力的な特徴を備えた「VR防災訓練 地震編」では、大きく3つのプログラムを用意しています。
- 発災時編:震度6強の揺れをVRで再現し、CGによる臨場感ある体験を提供
- 発災後編:揺れが収まったあとに、どのような行動を取るべきかを解説
- 被災生活期編:地震によってライフラインが止まってしまった場合の避難の選択肢や、必要な備えを解説
地震が起こった場合の視界や室内を体験できるだけでなく、災害発生時の行動、日頃の備えなどもわかる内容で、マンションに住むにあたって蓄えておきたい知識を吸収できるのではないでしょうか。
手軽にできるバーチャル訓練を体験しよう
マンション居住者向けの「VR防災訓練 地震編」では、地震発生時の様子をVRでリアルに体験できます。今回ご紹介したコンテンツのほかにも、VRを使った災害体験は多く存在するので、災害時の正しい行動や、地震や火災でどのような被害が起こるかを把握するために活用してみるとよいでしょう。