VRドキュメンタリーやアニメーションがここ数年で多く登場するなか、1編の詩を題材に作られたアニメーションが話題となっています。2021年に制作されたアニメーションには、どのような魅力があるのでしょうか。
今回は、「The Hangman at Home – VR」の概要や魅力、原作となっている詩の内容についてご紹介します。
「The Hangman at Home – VR」とは
「The Hangman at Home – VR」は、2021年にデンマーク・フランス・カナダで制作されたVRアニメーションです。およそ25分間のアニメーションは、第77回ベネツィア国際映画祭VR部門「VENICE VR EXPANDED」でグランプリを受賞したほか、世界中のさまざまな映画祭で賞を獲得しています。
監督は、アカデミー賞短編アニメ部門にノミネートされた作品をはじめ、数々のアニメーション、VRアニメーションを制作したMichelle KranotとUri Kranot。2人は夫婦であることも知られています。
5つのエピソードからなるアニメーションは、観客と目撃者、共犯者のつながりをテーマとしており、強いメッセージを視聴者に伝えます。
原作は…
「The Hangman at Home – VR」の原作となっているのはアメリカの詩人、カール・サンドバーグが書いた「The Hangman at Home」です。カール・サンドバーグはジャーナリストとして記事を書く傍ら詩を発表しており、1916年に出版した詩集で一躍有名になりました。
「The Hangman at Home」は絞首刑執行人の日常生活を想像し、そこから生じる違和感を表現したものです。詩の映像化というのはこれまでのVR作品にあまりない試みで、作品についてはさまざまな理解・解釈がなされます。
作品の魅力
VRアニメーションでは、5つのエピソードを通し、5人の登場人物が「ある行い」の瞬間をのぞき見ます。罪ではないもののどこかに違和感のあるその行いを見届ける登場人物は、性別や年齢、環境が全く異なるものの、その行いを通して彼らの共通した部分があぶりだされます。
5つのエピソードの最後には、それぞれのエピソードの主人公がアニメーションを視聴する体験者の存在に気づきます。登場人物たちと目が合う瞬間に思わずドキっとするような驚きやなんともいえない感情を抱く方も、いるのではないでしょうか。
自身がその「行い」の共犯者になったような気分は、アニメーションを体験しないと味わうことができません。感動でも喜びでもない、なんともいえない心情ではありますが、なかなかできない体験ができるのも、この作品の魅力だといえます。
VRアニメーションでさまざまな世界を見よう
詩を題材にしていること、さまざまなエピソードを通し登場人物の共通点を見出せること、共犯者になったような気持ちを感じられることなど、今回ご紹介した作品には現実にはできない体験を可能とする要素が多く含まれています。
非現実的なアニメーションの世界のなかに飛び込んだような感覚を味わうことができるという、VRアニメーションならではの魅力を、ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。
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