世代区分の1つであるZ世代は、1990年代後半から2010年代前半に生まれた世代を指します。2023年現在、10~15歳となるZ世代の子どもたちに、いじめ防止をメタバースで呼びかける取り組みを実施しているファッションブランドがあります。
今回は、いじめ防止のメッセージが込められたデジタルウェアについて、ご紹介します。
デジタルウェア販売に関わったのは…
いじめ防止をメタバースで呼びかける取り組みを行ったのは、メタバース向けのデジタルファッションアイテムを展開する「House of Blueberry(ハウス・オブ・ブルーベリー)」と、アメリカのファッションブランド「Boy Meets Girl(ボーイ・ミーツ・ガール)」です。
「House of Blueberry」はこれまで、2000万以上のデジタルファッションアイテムを販売してきました。著名なファッションブランドはもちろん、ブロードウェイミュージカルなどともコラボしており、メタバース上でのファッションを支える重要な役割を果たしています。
「Boy Meets Girl」は、アメリカのアスレジャーブランドです。いじめや人種差別を非難するような、メッセージ性の強いアイテムを、現実世界で複数展開しています。また、乳がんに対する認識を高める活動を行うなど、ファッションを通しての社会貢献に注目が集まるブランドです。
ポジティブなメッセージでいじめ防止を呼びかける
現地時間2023年1月10日より、メタバースプラットフォームRobloxで、独占販売されています。Robloxではゲームの制作、他プレイヤーが作ったゲームのプレイなどが可能。全世界の一日のアクティブユーザー数が5,800万人を超えるなど、急成長と人気の高さがわかります。
Robloxのユーザーは、多くが17~24歳という若年層で、Z世代よりもやや上です。しかし、今後Z世代の子どもたちも多くRobloxを利用することが考えられ、そんな子どもたちに視覚を通してわかりやすく「いじめ防止」を意識させられるよう、「Boy Meets Girl」はデジタルウェアを通して呼びかけを行います。
「Boy Meets Girl」は「House of Blueberry」のバーチャルブティックで、ポジティブなメッセージを発信しながら、メタバースを通して「いじめ防止」を呼びかけるという使命を果たしていきます。
「Roblox」でデジタルウェアをリリース
「Boy Meets Girl」と「House of Blueberry」がリリースしたデジタルウェアは、レギンス、スウェットパンツ、2種類のシグネチャーTシャツの全部で4つです。これらは「Boy Meets Girl」が実際に販売していて、ベストセラーや定番商品として人気の高いものです。バーチャル空間でも、アバターに身につけさせたいと思う方は多いのではないでしょうか。
今回のコラボレーションにあたり、House of Blueberryの最高経営責任者兼創業者であるミシ・マクダフ氏は、「私たちは『Boy Meets Girl』のブランド使命が大好きで、そのポジティブなエネルギーをメタバースに持ち込むことが待ちきれない。『Boy Meets Girl』の象徴的なブランドは、Roblox上で真価を発揮し、私たちのコミュニティにとって楽しく、心地よい仮想体験になるだろう」とコメントしています。
差別やいじめのない世界を、メタバースから
誰もがなりたい姿で自由にワールドのなかでの時間を過ごせるメタバースは、現実世界よりも差別やいじめに悩まされることが少ないと考えられます。しかし、なかには現実で闇を抱えてこうした空間に逃げ込んでいる人、反対に差別などをしてしまっている人がいるかもしれません。
年齢や性別、生まれた国などにとらわれないメタバースで、子どもたちはもちろん、大人も一緒に、改めて差別やいじめがなくなる世界の実現について考えるとよいのではないでしょうか。