アメリカのMozillaが、2022年12月にスタートアップ企業2社を買収していたことが、明らかになりました。今回の買収により、メタバースへの取り組みをさらに強化させていくことが予想されます。
今回は、Mozilla、そして買収された2社に関する情報をお届けします。
Mozillaとは
Mozillaは、ウェブブラウザFirefoxで知られる、アメリカの組織です。商標や権利関係を処理する非営利団体Mozilla Foundation、その子会社でブラウザなどの開発やサービス提供を行うMozilla Corporationで構成されています。
メタバース関連のサービスも提供しており、メタバースプラットフォーム「Mozilla Hubs」は、ブラウザでのメタバース展開が可能。オープンソースのVRソーシャルアプリで、URLだけでウェブブラウザから参加・共有できるのが特徴です。
ちなみに、NTTの「DOOR」でも、この「Mozilla Hubs」をベースにしています。
買収したスタートアップ企業は
そんなMozillaが今回買収を実施したスタートアップ企業は、カナダのActive Replicaと、アメリカのPulseです。買収は2022年12月1日に実施され、買収額については明らかになっていません。
Active Replicaは、2020年創業で、バンクーバーに拠点を置いています。バーチャル会場の設計や制作、イベント企画や技術サポートといった、バーチャルイベントの支援サービスを提供する企業です。
一方のPulseは、2019年創業。シリコンバレーに本社があります。社名と同じPulseという、ユーザーが設定したルールに基づいて、自動的にステータスを更新する統合ツールを提供しています。
メタバースへの取り組みにさらに注力か
Mozillaは今回の買収について、「Pulseには、ユーザ一人ひとりの好みに合わせ、最適化したプロダクトを作ってきた歴史がある。彼らは理論や設計から、実際のニーズや好みに対応した体験に落とし込む方法を知っている」と、Pulseの技術を高く評価しました。
今後、Mozillaは2社の技術を生かし、既存アプリ「Mozilla Hubs」の改良を進め、メタバースへの取り組みをさらに強化していく方針です。
バーチャル分野の発展に期待
Mozillaはすでにバーチャルの分野にも進出していますが、今回の買収で、よりよい空間やサービスを提供してくれることが期待されます。かつては「競合企業は敵」というイメージでしたが、昨今は企業同士がお互いの技術を持ち寄り、よりよいサービスや製品を作るという事例も少なくありません。
今後もさまざまな企業が手を取り合い、バーチャルの発展に貢献してくれるのではないでしょうか。