ガラケー時代から多くのユーザーがあつまるSNSとして人気を集めていたGREE。そんなGREEの開発・運営を行っているグリー株式会社が、新たに2つの会社を設立したことが明らかになりました。法人向けメタバースやVTuberに関連する事業を行う新会社により、グリーのメタバース事業はますます展開していきそうです。

今回は、グリー株式会社について、また設立された新会社について解説します。

「REALITY」の開発・運営にも関わるグリー株式会社

2004年12月、東京都で設立されたグリー株式会社。代表的なサービスは、ソーシャルネットワーキングサービス「GREE」で、2009年には利用者が1500万人を突破しています。

日記やレビュー、フォトアルバム、チャットなど、さまざまな機能があるなか、GREEで最も人気だったのはやはりゲームでしょう。多くのゲームがアプリ内で楽しめるほか、スマートフォンでは、GREE公式アプリで遊ぶことも可能です。

現在、GREEはスマホ版のみの提供となっていますが、創業時から続くゲーム事業に加え、アニメやコマース、マンガ、DX、そしてメタバースと、幅広い事業を展開しています。

そんなGREEは2018年、スマホ向けメタバースアプリ「REALITY」の開発・運営を行うREALITY株式会社を子会社として設立しました。大規模な事業投資により人気メタバースアプリとして成長してきた「REALITY」は、2022年10月に、世界63カ国でダウンロード数1000万を突破。海外ユーザーが中心のアプリですが、グリーのメタバース事業の発展に大いに貢献しているといえるでしょう。

メタバース事業拡大に向け、新会社2社を設立

そんなグリー株式会社が、2023年3月1日に新たに設立したのは、法人向けメタバース事業を行うREALITY XR cloud株式会社、そしてVTuber事業を手がけるREALITY Studios株式会社の2社です。

どちらも既存サービス「REALITY」の発展につながる事業で、REALITY XR cloud株式会社は「REALITY」の法人利用コンサルティングを行います。また、今後仮想空間内で実施される、さまざまなバーチャルイベントを実現するためのクラウドソリューション「REALITY Studios」を展開する予定です。

もともとREALITY株式会社は、2022年6月より「REALITY Worlds」という、法人向けワールド機能を開始していました。このサービスを活用し、ビームスやHIS、三井不動産などの大手企業がメタバースに進出し、注目を浴びましたが、今後はREALITY XR cloud株式会社がこのサービスを引き継ぐことになります。

REALITY Studios株式会社は、VTuber事務所の運営を中心に事業を展開します。今後、複数のVTuber事務所を設立し、幅広く活躍できるVTuberを発掘・プロデュースしていく予定です。こちらもREALITY株式会社が運営してきた「REALITY Studios」という、VTuberクリエイティブレーベルを分社化したといえます。

4社体制でグローバルな展開を

REALITY株式会社、そして今回新設されたREALITY XR cloud株式会社、REALITY Studios株式会社のほか、グリー株式会社は2022年7月、シンガポールに拠点を置くBLRD PTE. LTDも設立しています。BLRD PTE. LTDはWeb3事業を推進するための子会社です。

今後はBLRD PTE. LTDを含む4つの子会社が、グリーのメタバース事業推進のためにそれぞれの事業に尽力。メタバース事業を多角化し、グローバル展開の拡大を目指していきます。

グリーグループの今後の活動に注目！

GREE全盛期時代を体験した方のなかには「グリーは今どうなっているのか」と思われる方もいるかもしれませんが、今回ご紹介したように、現在も幅広い事業を展開しています。特に注力しているメタバース事業は、子会社であるREALITY株式会社を中心に、新設された2社、シンガポールに拠点を置くBLRD PTE. LTDも交えながら、今後ますます発展していくことが予想されます。

グリーグループはどのような活動でメタバースを盛り上げてくれるのか、ぜひ注目していきましょう。